スカウトされた10代のひとたちにとって、芸能界は一瞬とても明るい世界に見えるだろう。

しかし、所属する芸能プロダクションがどれほど信頼を置けるところかどうかは、
本人どころか親でもなかなか判断つかないはずだ。
さらに地方出身であれば、親元を離れて身近なところに相談できる大人がいない環境になる。
本人が内向的な性格であれば、なおさら不安定な状況となる。

にもかかわらず少しでも名が出てしまえば、なかなか契約を切れない状況に置かれる。
ダウンタウンの松本人志も、所属プロダクションからの移籍が可能なのは、
とても売れているかまったく売れていないかのどちらかだと述べたように
(フジテレビ『ワイドナショー』2016年2月19日)。

また、成功せずに芸能界を離れようと思っても、学歴は低く、他の職歴もないケースが多い。
大学進学率が50%を超える現在、芸能界に入るために大学進学しないといった決断が、人生の多くを左右してしまう。
芸能界の根本的な問題はやはりここにある。
この業界に入る者は、10代の段階で大きなリスクを採らされてしまう。

そうした芸能人たちを「自己責任」と切り捨てるのは、無責任な社会以外のなにものでもない。
加えて芸能界は、良くも悪くも注目されるがゆえに、特殊ではあるが象徴的に扱われる。
芸能界が、日本社会のお手本として機能してしまう。
SMAPのあの謝罪会見が、ブラック企業の問題と重ねられたように。

松谷創一郎 | ライター、リサーチャー 6/30(金) 5:30
(抜粋)
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichiromatsutani/20170630-00072721/