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■未来を予見する最強の武器「負債の経済学」

 「負債の経済学」という視座から経済を眺めると、いくつかの重要な事実が浮かび上がる。まず、マネーそれ自体が負債から生まれるということだ。

 つまり、経済成長を実現するためには、新たなマネー、すなわち新たな負債が生み出され続けなければならない。

 また、債務総額の増加は、家計や国家の資産増をもたらす一方で、深刻な格差拡大を伴う。

 中低所得世帯が債務負担をいびつに担う一方で、資産の恩恵は一部に集中するため、債務を基盤とする現在の経済制度においては、抜本的な対抗措置を講じない限り格差の拡大は回避しえない。

 さらに、債務、特に民間債務の全体的な膨張は、最終的に経済成長を鈍化させ、1990年代の日本や2008年の世界金融危機のような災厄を引き起こす危険を孕んでいる。