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転倒は高齢者で一般的

 小川氏によると、日本における身体拘束問題の背景には、主に

�@せん妄への対応が十分に認識されておらず予防が行われていない、

�A高齢者の転倒対策が知られていないーといった点があるという。

 このうち、転倒は高齢者の日常生活において一般的な事象であり、対策としては重大な転帰を招く事態の回避とともに、
転倒への恐怖に起因する引きこもりやフレイルの予防が求められる。

同氏は「ベッドアラーム単体では転倒は減少しない。

高齢者のせん妄と認知症に関する基本的な知識を現場が持った上で、複合的な介入を行うのが最も確実」と述べた。

せん妄予防は薬剤の適正使用と疼痛管理が要点に

 2024年度の診療報酬改定では、認知症ケア加算の算定要件に「せん妄のリスク因子の確認を行い、ハイリスク患者に対するせん妄対策を併せて実施すること」が追加された。

小川氏は「せん妄対策は発症の予防に焦点が移ってきている」と指摘し、予防ケアの要点を示した。

 せん妄の予防ケアでまず強調されるのは脱水の予防で、目標を定めて定期的な飲水を促し、飲水量のモニタリングを行う。

 薬剤にも注意が必要である。

不眠時や不穏時に使用されることの多い超短時間・短時間型の睡眠薬や抗不安薬(ゾルピデム、トリアゾラム、ブロチゾラム、ゾピクロン、エチゾラム)はせん妄のリスクとなる。

医原性のせん妄を発生させないために、不要なベンゾジアゼピン系薬の使用回避が求められ、
特に不眠時の指示の出し方や使用方法(漫然使用、約束指示での使用など)に注意を要する。

 また、一般病床の認知症患者における行動・心理症状(BPSD)の6〜7割には、本人が適切に伝えることができない疼痛が関連するといわれており、疼痛管理の強化が極めて重要になる。
同氏は「本人が痛いと言うのを待っていては遅い」と強調した。