>>321
一方、「受益者負担」の考え方は、行政が特定の市民に特別なサービスを行った場合に、サービスを受けた者とサービスを受けない一般市民との間の不公平を是正することを目的としたもので、サービス実施に要した費用を、サービスを受けた者に負担させようとする考え方を基礎とする。
しかし、条例に基づく情報公開条例に基づいて、行政の説明責任を問う市民の行為が、行政に特別のサービスの提供を求めることにはならない。
受益者負担と情報公開の制度は、本来両立しないにもかかわらず、あえて瀬戸市が情報公開請求に受益者負担を持ち出すことは、結果的に行政の市民に対する説明責任を否定することにつながる。
地方自治体の情報公開制度に変質をもたらす点で、見逃すわけにはいかないのだ。
�Aについても問題が多い。
行政機関個人情報保護法の施⾏にともない、地⽅公共団体の個⼈情報保護条例の改正が⾏われるからといって、情報公開法の規定を動かす必要はない。
もともと、国の情報公開法の運⽤では、各⾏政機関の公務員の⽒名情報は平成17年8⽉3⽇の情報公開に関する連絡会議の申し合わせによって、法5条1号ただし書イの「慣⾏として公にされ、⼜は公にすることが予定されている情報」に該当するものとされて運⽤がなされている。
瀬⼾市が、同市条例7条(2)ア「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」に国の上記申し合わせを読み込む運用をするつもりであれば、条例改正の必要はない。わざわざ条例の改正骨子案で指摘しているということは、今回の改正によって瀬戸市は公務員の氏名を一般的に不開示とすることを意図したものと言わざるを得ない。
こうした動きは、自治体の活動についての情報が減少するだけでなく、首長の職員の任命責任に対する説明義務を尽くさないことにつながる。
このような情報公開条例改正の動きはこのところ、⽴て続けに⽣じている。豊⽥市も情報公開請求時に1件200円の請求⼿数料を徴収することについてパブリックコメントの募集を始めた。福岡県⼤任町では、開⽰請求権者を「何⼈も」から、⼀年以上町内に居住する町⺠に限定する条例改正を⾏っている。いずれも⾏政の情報から市⺠を遠ざける改悪である。