『誘う蕾』


「くっせーなーマジで。セネリオもよーこんなのに勃つな」

だらしなくベッドに投げ出されたアイクの肢体を見て、シノンはそんな感想を呟く。
季節はもう冬。今しがた肛門性交を終えたばかりの体からは湯気が沸き立ち、部屋中を固形物と言えそうなほど濃密な激臭で満たしている。
セネリオは射精直後にそのまま出張、アイクはココタ堕ちで失神。今部屋で意識があるのはシノンだけだ。だからこそこんなたわ言も言える。
仮にアイクが起きていようもんなら「俺が激臭だったらじゃあこくの肛門はなんなわけ?ァじw」とすぐにでもパワハラが飛んでくるだろう。

――――と

偶然目に入ったアイクの”蕾(つぼみ)”にシノンはしばし見とれていた。
中に吐き出された精液と腸液の混じり合った黄土色のそれが肛門に薄く膜を張り、今も時折泡を吹いては穴から垂れ滴っている。
幾度となく肛門性交が繰り返されている割には、肛門は形を失っていない。皺と皺の間の肉は健康的な厚みを持っていることが膜の上からでもわかる。
むしろ液体によって包まれたそれはある種神々しい艶かしさを湛え、てらてらと濡れ輝き、見る者を誘うようで。

どうなっているのだろう?
シノンがそっと指を伸ばしたのが無意識であることは言うまでもない。
それは性欲からではない。小学生が自然の神秘を垣間見、茂みで隠れた奥を掻き分けんとする好奇心に似ていた。

クチュ…

「ッ!?やばい!!イクイクイクイクッッ!!!!!!!」

慌てて引き抜いた指と蕾の間に、腸液の線が滑らかな弧を描く。勢いで後ろに転ぶ。
次にシノンが気づいたのは、今にも射精せんと脈打ちギンギンに勃起した己の姿だった。
指から伝わる蕾の感触は、アイクのそれが名器であることをはっきりと告げていた。柔らかく濡れ包み、それでいて離してくれないような切なさ。

「マジか。セネリオマジか、いつもこんなのにチンポ入れてんのかよ…」


これにチンポを…?


魔が差した考えをシノンは払えずにいる。
それにセネリオ不在、アイク失神という環境が背中を後押ししていた。
俺のほうがアイクと一緒にいた時間は長い。俺にも権利はある。今ではもう、そのような考えで頭が満たされていた。
横たわる不遜な肉付きの体も、今では淫靡な如来を思わせるようで。カチャカチャと慌ててベルトを外す音だけが響く。

一夜の過ち
しかし誰が今宵のシノンを責められようか。
それがどんな結末を呼ぼうと、妖しき花に呼び寄せられた虫そのものには、なんの罪もないのだから。