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http://www.nagano-c.ed.jp/seiho/risuka/2005/2005-10.pdf

地熱発電の影響が発現した実例
地熱発電の実施においては,他の諸工業における公害問題と同様に,影響についての配慮を加えないまま事業
化が先行してしまった。地熱発電が開始された初期の段階では,不用水をそのまま河川に放流したために近隣や
下流域に砒素等による汚染をもたらし,魚が死滅するなどの被害をもたらした。また,大気中に放出された水蒸気
に伴って硫化水素が放散し,木々が枯れるという状況を作った。途上国の中には,その後も状況が変わらず,今
も被害に苦しんでいるところも多い。
不用水による被害対策として,今では不用水を地下に還元する(戻す)ことが行われている。これで見かけ上、
河川の汚染は減少することになった。しかし,その不用水の還元の影響は,因果関係がつかみにくいため,問題
の発現を後送りし,不明確にしていた。
そういった状況の中で,地熱発電が行われているほとんどの地区において,温泉が枯れるなどの,具体的なな
んらかの影響が表れているとされる。その具体例を,精力的に調査を続けてきた中沢跳三氏の論文の一部より拾
い上げると,

1 )秋田県大沼地熱発電所付近の温泉:上トロコ温泉枯渇,他の温泉でも湧出量減少,泉温低下。
2 )大分県久重町大岳地熱発電所・八丁原発電所:2 5 箇所の温泉・地獄すべての自然湧出の源泉
に湧出量低下,泉温低下(うち,枯渇5 )。
3 )秋田県澄川地熱発電所:周辺で大規模な土砂崩壊がおきて澄川温泉と赤川温泉が壊滅 。
4 )イタリアのラルデレロ地熱発電所:周辺の温泉源のみならず,周辺の森林が壊滅 。
5 )フィリピンのフィイ地熱発電所:水蒸気爆発で周辺の温泉が壊滅 。
6 )米国ネバダ州の地熱発電所:調査井のボーリングで世界的に有名な間欠泉が噴湯停止。
これらはほんの一例である。