>>261 つづき

一方、中枢神経では、血液脳関門が存在するため、末梢神経に比べると低Ca2+血症の影響は受けにくいが、やはり同様
の機序で神経細胞の興奮性は上昇すると考えられており、臨床的には、てんかん発作の他、不安、情緒不安定、集中困難
などの多彩な精神症状が見られる2)。

 活動電位の発生時に取り込まれるイオンはほとんどがNa+で、Ca2+は1%程度にすぎないため、Ca2+の細胞膜内外の濃度
変化自体が神経細胞の興奮性を変えるとは考えにくい。テタニーという症状の性質を考えると、セカンドメッセンジャー
としての細胞内Ca2+の変化によるものとも考えられない。細胞外のCa2+濃度低下は、Na+チャネルへの影響を介して、神
経細胞の脱分極を起きやすくさせ、興奮性を高めると考えられている1)。

 細胞外Ca2+は、2つの機序でNa+チャネルに影響する。一つはNa+チャネル開口率の電位依存性を変化させる効果、もう一
つはNa+チャネルのコンダクタンス(透過性)の変化である3)。