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まとめ

治療目的での投与では症状軽減までの時間を短縮し、予防投与では症候性インフルエンザの発症リスクを低減
しかしながら、それらの利益が臨床的に意義のあるレベルかどうかについては疑問

成人を対象とする治療目的の試験では、プラセボに比べてザナミビルは、インフルエンザ様疾患の症状軽減までの
時間を0.60日(95%信頼区間 0.39-0.81、P<0.001、I2=9%)短縮していた。

小児ではこの利益は有意ではなかった(平均差は−1.08、−2.32から0.15)。

症状軽減までの時間は、ザナミビルのみを用いたグループよりも、症状を抑える何らかの薬剤をサナミビルと併用した
グループで短く、その差は最大で2.5日だった。

また、プラセボと症状を抑える薬剤を併用したグループと、ザナミビルのみを用いたグループを比較すると、前者の方
が全般的に症状軽減までの時間は短かった。

ザナミビル投与では、成人患者の診断未確定の肺炎リスクは減少せず(リスク差0.17%、−0.73から0.70)、放射線学的
に確認された肺炎のリスク低減効果も示されなかった(−0.06%、−6.56から2.11)。

小児の肺炎にも有意な影響は見られなかった(0.56%、−1.64から1.04)。

成人と小児の中耳炎、副鼻腔炎に有意な影響は見られず、成人の気管支炎リスクは少ないながらも有意に低下
(1.80%、0.65-2.80)したが、小児の気管支炎リスクへの影響は有意ではなかった。

成人、小児ともに、入院への影響を評価するために必要なデータは得られなかった。

予防目的の試験では、ザナミビル投与により症候性インフルエンザが有意に減少(1.98%、0.98-2.54)、罹患率は
3.26%から1.27%に低下した。

1件の症候性インフルエンザを予防するための利益に対する治療必要数(NNTB)は51(40-103)だった。

曝露後の世帯を予防対象とした研究でも症候性インフルエンザの発症は有意に減少(14.84%、12.18-16.55、
NNTBは7、6-9)していたが、この結果は2件の小規模研究(計824人を登録)のデータに基づくものだった。

一方で、抗体価は上昇しているものの症状のない無症候性インフルエンザの予防には有意な影響を示さなかった
(リスク差0.14%、−1.10から1.10)、曝露世帯を対象とする研究でもリスク差は1.32%(−2.20から3.84)と有意差を
認めなかった。

予防投与により、成人における未確定肺炎リスクは低下した(0.32%、0.09-0.41、NNTBは311、244-1086)が、
小児の肺炎と、成人・小児の気管支炎、副鼻腔炎に対する影響は有意ではなかった。

ザナミビルの忍容性は高かった。成人では悪心や嘔吐などのリスク上昇は見られず、小児の有害事象報告もわずか
で、リスク上昇は認められなかった。

また、成人に対する予防投与、治療目的のいずれも、重篤な有害事象または治療中止を引き起こす有害事象に
有意差はなかった。

小児については、この分析を行うために必要なデータは得られなかった。

ザナミビルは、成人患者の症状軽減までの時間を半日強短縮(オセルタミビルと同程度)するが、その利益は症状軽減
に用いられる他の薬剤より小さいことが示唆された。

有害事象はほとんど見られなかったのは、生体内利用率が低いことが理由ではないか。