キリン、武田薬品…海外M&Aブームで「大金をドブに捨てる」日本企業、巨額損失や経営悪化
http://biz-journal.jp/2017/04/post_18872.html

11年にはスイスの無名の製薬会社ナイコメッドを96億ユーロ(約1兆1100億円)で買収した。
ナイコメッドの純資産は15億ユーロ(約1700億円)。
ユーロ換算で純資産の6.4倍の資金を投じたが、手元資金では足りず6000億円を借金した。
ナイコメッドは日本では無名に近い会社だったため、社内外から批判の声が上がった。
有力な新薬候補がなかった上に、複数の投資ファンドが株を保有する非上場企業だったことも大きな要因だ。

長谷川氏は、新興市場に強いというセールス・トークに飛びついたのである。
確かに、ナイコメッドを買収したことにより、ロシアやブラジルなどで武田薬品独自製品の販売の道が開け、
武田薬品がカバーする国は28カ国から70カ国に拡大した。
また、医薬品の売り上げ世界ランキングで16位から12位に躍進するという読みがあった。
だが結論からいうと、「TAKEDA」は世界市場では依然として10位以下で、“準大手”のままだ。
一方、ナイコメッドの買収で巨額ののれん代が発生した。これが武田薬品の利益を圧迫し続けた。
(中略)
このように、武田薬品は基幹医薬品が特許切れに追い込まれることがわかってからM&Aに乗り出したのだ。

ナイコメッドのケースは、新興市場での販売力に賭けるという、安易なものだった。
新興市場で販売力など、“泡沫(うたかた)の夢”のようなものだ。
経営主体が替われば、過去の売り上げが持続する保証などどこにもないのだ。
同社の買収を諮った取締役会は、長谷川社長以外全員が“消極的な反対”だったとされている。
絶対反対といわないところが日本的といえる。
追い込まれてからの買収は、だいたい失敗する。焦った経営者の目がどうしても曇ってしまうからだ。