2016年度は決算として成功の年であった。実質ベースでは売上収益が成長しているが、
急速に売上収益が減少していた日本の長期収載品事業を、武田テバ薬品(株)へ移管した
影響などによって、財務ベースでは減収となっている。

2016年度は健全な財務状態で終了することができたが、現在の純有利子負債/EBITDA倍率は
2.7倍となっており、3.5倍を超えると一般的にジャンク債と言われる低い格付けとなる
可能性がある。つまり、決して強い財務状況ではない。

財務ベースの売上収益は対前年−753億円、Core Earningsは対前年−16.0%であるが、
いずれも為替および事業売却の影響によるものである。為替が前年から円高になったことにより、
売上収益で1,174億円の減収影響、Core Earningsで199億円の減益影響となった。
また、事業売却は、売上収益・Core Earningsとも700億円程度のマイナス影響となったが、
その大半は、武田テバ薬品(株)に事業売却したことによるものである。しかし、アリアド社の
買収によって今後のビジネスが拡大していくことから、当該マイナス影響をカバーし、業績が
伸長すると見込んでいる。

営業利益は+19.1%と改善している。これは、武田テバ薬品(株)に事業移管した際に生じた
譲渡益1,029億円を当期に計上したことが大きく寄与している。

ROEは、2015年度は3.9%と非常に低かったが、2016年度は6.0%に向上した。
日本の製薬企業は20%以上が多いことを考えると、さらなる改善が必要である。

株主が今後も当社に投資を続けてくれるよう、タケダの将来性を株主に説明していくとともに、
株主に約束している配当金を支払う必要がある。配当金を支払ううえで、DEレシオ(負債資本総額)
といった財務の健全性を示す指標が悪化しないよう、配当額よりも多くの利益を確保する必要がある。