F:他の製薬企業と比べて、タケダはどのような点がユニークだと思われますか?

栗:私たちのように研究開発型の製薬企業もあれば、研究開発をベースとしながらジェネリック医薬品にも携わっている企業もあります。タケダは、研究開発型の製薬企業であることに独自性があると思います。私たちが選んだ疾患領域もユニークです。
また日本企業であるということも、私たちを非常にユニークな存在にしています。タケダほどグローバルな日本企業は他にありませんから。
また、"Patient - Trust - Reputation - Business" に重点を置くタケダのバリューも私たちをユニークな存在にしていると思います。
このバリューは、まだ社外で完全に認識されているわけではありませんが、将来的には社外でも認識されることを私は目指しています。

N:持続可能な社会保障制度を経済面で支援していく上で、製薬企業が今後果たすべき重要な役割には、どのようのものがあると思われますか?

栗:企業として私たちがすべきことは、まず状況を正しく理解することです。そうすることで、企業のレピュテーションに大きな悪影響を与えかねない、価格付けやポジショニングの間違いを防ぐことができます。
新製品の発売においては、その市場環境だけでなく、医療制度においても個人負担においてもアクセスしやすい適切な価格レベルを意識する必要があります。
タケダには新興国の医薬品アクセスに対する戦略もります。患者さんにとって最適な価格とアクセスのしやすさを重視するタケダのマインドセットを私は誇りに思います。
長期的に状況を改善する方法としては、研究開発の生産性を向上させることです。新薬あたりの平均コストを下げて生産性を高めることができれば、余裕が生じ、よりよいかたちで価格付けができるようになるからです。
最後に、社会への発信力の向上も必要です。私たちが、何にどのように取り組んでいるか、研究開発へ多く投資をしているが成功確率は決して高くないことなど、私たちの取り組みが簡単ではないと伝える必要があります。
医薬品の価値を説明することも重要です。新薬によって医療制度全体のコストが下がるというのは実際よくあることですが、コスト削減に貢献していることはあまり認識されていません。

N:人生で最も大変だった時期について教えてください。仕事でもプライベートでもいいのですが、そのときに誰に助けられ、どのように助けを求めたのか教えてください。また、今何かに悩んでいる従業員に対してアドバイスをお願いします。

栗:これは難しい質問ですね。プライベートで大変な時期はありました。若い頃に、父が事故で他界したのです。しかも私はその場に父と一緒にいたので、本当に辛い経験をしました。また、私には若くして亡くなった弟もいます。これも非常に辛い経験でした。
私はこのように乗り越えなければならない辛い経験をしてきました。そういうときは家族や友人の助けを得て、前に進む必要があります。亡くなった人たちもきっと、私が前向きに人生を歩んでいくことを望んでいると考えるようにしています。
つまり、一日一日を楽しむことが重要です。皆さんには毎日、自分のしていることを楽しみ、そしてタケダで働くことを楽しんでほしいと思っています。私は経験上、人生はとても短いと知っているので、人生を楽しみましょう!