「配当年180円は守る」 武田臨時総会ドキュメント

武田薬品工業は5日、アイルランド製薬大手シャイアーの買収の是非を問う臨時株主総会を開いた。買収に使う武田株を新たに発行する議案について3分の2以上の賛成を受けて可決、シャイアーの買収が決まった。
創業家やOBら一部株主はリスクが大きいと反対を表明していたが、機関投資家などが成長戦略として支持した。
株主からは買収に対して懸念を示す質問もでたが、クリストフ・ウェバー社長はシナジー効果が年14億ドルになることや年180円の配当を守ることを示した上で、「研究開発型のグローバル企業を目指し、日本に本社を置くリーディングカンパニーになる」と株主に訴えた。

■12時45分 株主、会場を後に

総会が終わり、株主が会場の外に出てくる。80代男性は「国内の医薬品市場が縮小するなかで海外に出ていく必要があることはよくわかった。ただ、これまでの買収について検証すべきだ」とくぎを刺した。
60代男性は「180円の配当が維持されるということに安心した」とほっとした表情を見せた。武田のOBらで作る会のメンバーは今後のことを話すために、近隣のホテルに集まった。

■12時20分 議案を賛成多数で可決

質疑応答を終え、議案の採決に移った。新株発行に関する議案のほか、シャイアーの社外取締役を武田の取締役として選任する議案を可決した。新株発行に関する議案は4日時点で89.24%の賛成を得ていた。総会は2時間24分で終了した。

■12時10分 「報酬委員会が決める」

ウェバー社長の報酬についての質問に対して、「報酬には強いガバナンスが効いており、報酬委員会に私は加わっていない」と答えた。その後、ウェバー社長が報酬委員会の委員長である社外取締役の志賀俊之日産自動車副会長を指名した。
志賀氏は日産のカルロス・ゴーン元会長が逮捕されたことを受け「コーポレートガバナンス(企業統治)で大きな疑念を持たれている日産の取締役も務める立場の者が、武田の社外取締役であることで疑念を持たれていたら大変申し訳ない」と述べた上で、
「武田は取締役12人のうち8人が社外取締役で密度が濃い議論をやっており、日本のコーポレートガバナンス(企業統治)でもトップレベルにある。報酬委員会は諮問機関として答申をし、基本報酬は同じ規模の製薬のCEO(最高経営責任者)の報酬と比べている。
賞与、長期インセンティブを含めても極めて透明で公正に決まっている」と答えた。

■12時00分 「配当180円は確実に守る」

一般株主にとっては配当が重要との株主に対し、ウェバー社長は「年180円はコミットしており、改めて強調したい。確実に守っていく」と答え、
「株価は買収発表前に5年ぶりの高値をつけていた。我々の取りくみが評価された証拠で、最終的には市場に評価されるだろう」と自信を見せた。

■11時40分 「日本国籍グローバル企業に」

社外取締役を代表して坂根正弘コマツ相談役がウェバー社長からの指名を受けて回答をした。
コマツの経験をもとに「日本企業は総花主義、自前主義が共通点だが、業界の中で何かで断トツになる、重要基盤をつくることが世界市場で勝ち抜く必須条件だ」と取締役会議長として買収を決めた理由を話した。
その上で「本社を日本においてもグローバルになることはでき、日本国籍グローバル企業を目指す上で、絶好の機会で正しい方向だ」と述べた。

■11時25分 「意思決定は日本で」

ウェバー社長が武田を大阪発祥のジャパニーズカンパニーと説明したことに対し、買収後は株主が7割近く外国人になるのにジャパニーズカンパニーと言えるのかとの質問が出た。
ウェバー社長は「(製薬における)日本市場は世界の7%程度でグローバルで成功するためにも従業員は買収で9割が海外になるが、意思決定は日本でしており、東証が優先市場になる」と答えた。