【INTERVIEW】アナリストはこう見る!

「持続的成長のための時間稼ぎだ」

シャイアー1株当たり49ポンドという武田の提案は高くない。シャイアー株はPER(株価収益率)などでも割安に放置されていた。

その理由の1つ目は主力製品である血友病薬のシェアを中外製薬の「ヘムライブラ」に奪われてしまうこと。
2つ目はADHD(注意欠如・多動症)治療薬「ビバンセ」が2023年に米国で特許切れになること。
3つ目はシャイアーは買収で成長した会社で、パイプライン(新薬候補)に自社開発のものがほとんどないこと。
3.7兆円をかけた米バクスアルタが買収後うまくいっておらず、それまで評価されていたフレミング・オルンスコフCEOの目利き力に疑問符がついていた。

商社的であるシャイアーが行っている研究と武田の研究に相乗効果が出るかはわからない。ウェバー社長はそうならないようにしたいと思っているだろうが、買収後も自社で創薬できなければ、武田はM&Aを続けないと成長できなくなる。
これまで有力なパイプラインがなかった武田にとって、今回の買収は持続的な成長のための時間稼ぎだ。

UBS証券 関 篤史

(週刊東洋経済 2018.6.16)