21年国内市場、中外製薬が初の売上高トップ IQVIA「販促レベル」データ、がん領域が寄与

IQVIAジャパンが17日発表した2021年の国内医薬品市場統計で、中外製薬が「販促会社レベル」の売上高で初めてトップに立ったことが分かった。薬価ベースで前年比7.3%増の5168億円となり、2位の武田薬品工業に232億円の差をつけた。政府に納入した新型コロナウイルス感染症治療薬「ロナプリーブ」は含まれておらず、がん領域の成長が支えた格好だ。

販促会社レベルの定義は「MRによる情報提供活動を通じて販促活動を行っている製薬企業」。自社がオリジネーターとなる製品の売上高のみで、他社品の共同販促で卸から代金を回収しても計上されない。卸経由で流通していない新型コロナ関連の製品も除外される。いわば市場での“実力”を測る指標といえる。

中外製薬が1位となったのは、IQVIAがデータを公表し始めた06年以降で初めて。中外の21年12月期通期決算によると国内売上高の5割を占めるがん領域が12.6%増と好調だった。販促レベルの売上高は11〜19年はファイザーが首位の座を維持していたが、長期収載品と後発医薬品を切り離したことで、20年は武田薬品が浮上していた。

●全体では2.2%増の10兆5990億円

21年の全市場は10兆5990億3100万円で2.2%増加した。4月に実施された薬価中間年改定や、新型コロナ対策の緊急事態宣言発出などマイナス材料があったものの、前年の2.4%減から回復した。販路別で最大の病院市場が4.2%増だった。

製品別売上高を見ると、「キイトルーダ」(1210億7000万円、0.8%増)と「オプジーボ」(1208億1900万円、12.3%増)が僅差で1、2位を分けた。1111億円(13.5%増)ちょうどで大台に乗った3位の「タケキャブ」は、第4四半期(10〜12月)でトップだった。
抗がん剤以外の製品の四半期トップは、18年第3四半期(7〜9月期)の「マヴィレット」以来となる。4〜6位の「タグリッソ」「アバスチン」「リクシアナ」までが1000億円を超えた。

薬効分類別では「抗腫瘍剤」の伸びが大きく、11.3%増の1兆6532億6000万円となった。2位の「糖尿病治療剤」6355億2500万円(5.0%増)に1兆円を超す差をつけた。新型コロナ感染拡大で検査試薬が相次いで発売されたことで、「診断用検査試薬」が9位と初のランクインを果たした。

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