→量的・質的緩和導入後、「賃金停滞したまま」-責任企業だけでない
→ユニクロの賃上げは「かなり刺激的」、同業他社への影響出る可能性

日本最大の労働組合の全国組織「連合」の芳野友子会長は、政府がインフレ率を超える賃上げの実現を目標に掲げる中、2023年は実質賃金が持続的に上がる経済構造に変えていくターニングポイントとなる年だとの見解を示した。16日、ブルームバーグのインタビューで語った。

  芳野氏は、日本経済が低迷を続け、賃金水準で世界に後れを取ったのは、「20年以上にわたって人への投資が不十分だった」ためと指摘。人への投資をこれまで以上に強力に推し進める必要があり、「単年度だけ高い賃上げを実現できれば良いわけではなく、持続的に実質賃金を改善していける状況を作り出す転換点とすることが大事だ」と語った。

  一方で、芳野氏は、日本銀行が13年4月に量的・質的金融緩和を導入後、物価が目標の2%を超えたのは輸入物価高と円安という外的要因で押し上げられた22年4月からで、「この間、賃金は停滞したままだった」と説明。マネーが労働者や家計に回らなかった責任を企業のみに負わせるべきではないとし、金融政策の「検証は必要ではないか」との見解を示した。

  日銀は、昨年12月に政策修正を決めたが、物価上昇は「一時的」とし、賃金上昇を伴う形での持続的・安定的な物価目標実現へ現行の金融緩和策を粘り強く続ける方針だ。市場でさらなる修正に踏み切るかどうか注目される中、日銀は17、18の両日、金融政策決定会合を開く。ブルームバーグの調査では、ほぼ全員が今回会合での現状維持を予想している。

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芳野友子連合会長 Source: Bloomberg

  ロシアによるウクライナ侵攻を背景に世界的に物価が上昇する中、東京都区部消費者物価の前年比上昇率は昨年12月に40年ぶりに4%台に達した。物価上昇に伴い賃上げが進む欧米諸国とは対照的に、賃金の上昇が追いつかない日本では実質賃金のマイナスが続いている。こうした中、連合は23年春闘における賃上げ目標(定期昇給分を含む)を28年ぶり高水準の5%に引き上げた。
□実質賃金3.8%減、物価高進む中で8年半ぶり減少率-昨年11月 - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-05/RO1BCMT1UM0W01

  芳野氏は、交渉前を理由に目標達成の見通しについてコメントしなかった。ただ、円安の後押しを受けるグローバル企業の業績は好調であり、「製造業中心に大手でできそうという声がある」と述べた。新型コロナウイルス感染症の影響が尾を引いている業種もある中で、「厳しいところでも来年につながる交渉をしてほしい」と語った。

  日本経済研究センターによると、23年春闘での賃上げ率は、民間予想平均で2.85%にとどまる。  
□10~12月期成長率は年率3.26%に下方修正 23年春闘賃上げ率は2.85%、ベアは1.08%と見込む | 公益社団法人 日本経済研究センター:Japan Center for Economic Research
https://www.jcer.or.jp/esp/20230116-2.html

>>2 へ続く

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岸田首相、インフレ率超える賃上げを-「異次元」の少子化対策も - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-04/RNXT3MT1UM0W01
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-20/RN6LMLT0AFB401
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-09/QX6RSBDWLU6B01

2023年1月17日 12:45 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-17/RO921ET0G1KX01