>>1 から続く

●ユニクロの賃上げ「かなり刺激的」
  大手企業では賃上げ機運が生まれつつある。衣料品チェーンの「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、海外に比べて報酬水準が低位にとどまっている国内従業員の報酬を改定し、年収で最大約40%引き上げる方針を示した。

  芳野氏は、人手不足が深刻化する中、ユニクロの賃上げは「かなり刺激的」で、同業他社への影響が出てくる可能性があるとみる。

□ファストリが日本従業員の報酬改定、年収で最大約40%アップへ - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-11/ROANXET1UM0Y01

  海外に比べて日本の賃金が上がりにくい原因については、「1990年代後半から大きな経済ショックのたびに、企業経営者はリスク回避、短期利益優先、株主重視の姿勢を強め、賃金をはじめとした労働条件も停滞してきた」と説明。この30年間に企業はコストダウンを優先して値上げを徹底的に回避したため、「デフレマインドが強固に形成された」という。

 連合は5%賃上げ目標
 政府はインフレ上回る賃上げ目指す
(物価上昇率と賃上げの相関グラフはコピーできない形式ですので元ソースからご覧ください)
出所:22年までの春季賃上げは、連合「2022 春季生活闘争まとめ」の平均賃金方式の賃上率、23年は「2023 春季生活闘争方針」の賃金要求指標、総務省「消費者物価指数」、22、23年度コアCPIは日銀予想値

  芳野氏は、デフレマインドの転換には「賃上げしかない」と言明。政府には「原材料費の高騰をきちっと製品価格に転嫁させ、賃金を上げて消費に回し、経済を回していくため、政策の実行力を上げてほしい」と要望した。

  岸田文雄首相は、4日の年頭記者会見で、「この30年間、企業収益が伸びても期待されたほどに賃金は伸びず、想定されたトリクルダウンは起きなかった」と総括し、「賃金が毎年伸びる構造を作る」と強調。連合が今年の春闘で5%程度の賃上げを求めていることに触れた上で、インフレ率を超える賃上げの実現を企業に求めていく考えを表明した。  

  政府は、個人のリスキリング(学び直し)による能力向上支援、日本型職務給の確立、デジタルなどの成長分野への雇用の円滑な移動を可能にする環境整備を進め、構造的な賃上げ実現を後押しする。