矢吹君は寂しくないの?



同じ年頃の若者が、町に海に山に青春を



謳歌しているというのに、矢吹君ときたら



来る日も来る日も、汗とワセリンと松脂の匂いが漂う



薄暗いジムに閉じこもって、縄跳びをしたり、




柔軟体操をしたり、サンドバッグを叩いたり・・・。



たまに明るいところへ出るかと思えば、



そこは眩しいほどの照明に照らされた



リングという檻の中。



そこでは、まるで闘犬のように血だらけになって



殴りあうだけの生活・・・。



なのに、まだ体はどんどん大きく




伸びようとしているのに、食べたいものも食べず、



飲みたいものも飲まず・・・。惨めだわ、悲惨だわ。



青春と呼ぶにはあまりにも暗すぎるわ!。」