また、被災者がバラバラになると被災地にあったコミュニティが
分断されてしまう、と懸念する人もいるが、そういった土着的で
地理的要因による鬱陶しいコミュニティから解放されるのも
都会暮らしの良さだ。人口の母数が大きいのだから趣味や価値観を
共有できる本当のつながりを築ける機会にだって当然恵まれる。
もちろん地域コミュニティにも組み込まれず孤独な人は数知れない。
それでも生き抜いていけるのは逆に東京をはじめとした大都市が
「人が社会の中で生きていく上で適した場所である」ということを
意味する。だから「地域コミュニティが…」などといったものは
被災者を被災地に縛り付けるための理由にはならないのだ。

「都市の力、街の力、土地の力」が発揮されるのは何も災害に
対してだけではない。この不安定な時代、もし亭主がリストラに
あったり勤め先が倒産した際に、子供の面倒をみながら主婦が
働ける勤め先が家からそう遠くない場所に豊富にあるか、と
いったことも大事な要素となる。環境が良いからと都心から
遠く離れた郊外で専業主婦を決め込むのはリスクが伴うといえる。

東京には人生を守る「都市の力、街の力、土地の力」がある。
だから首都直下地震など、必要以上に恐れることはないのだ。
関東大震災、東京大空襲と過去、東京は壊滅的な被害を幾度か受けたが
そのたびに目覚しい復興の力を見せてきた。来るなら来い。
負けるものか。私は生き延びるし、生き延びてそこから頑張って
より素晴らしい東京で暮らしてやる! そして東京の誇る
「都市の力、街の力、土地の力」は冒頭のような哀れな男を
生まないと信じている。すべては経済の力、効率の賜だ。