【リニア時代へ広がる再開発の波 名古屋 】
日本経済新聞 2017/11/15 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23457250U7A111C1000000/

 名古屋に次々と出現する複合高層ビル。2027年のリニア中央新幹線開通を見据えた再開発の波は、
名古屋駅からその周辺に広がってきた。製造業が盛んな愛知、岐阜、三重の3県は、リニア時代に向け、
観光面でも日本一を目指し魅力を磨き続けている。中部3県の「まちづくり」と「ものづくり」の今を特集する。

■グローバルゲート開業 名駅南側に新街区
 10月、名古屋駅南側に新たな街が生まれた。再開発地区「ささしまライブ24」(名古屋市中村区)だ。中核
の複合施設「グローバルゲート」にはホテルや商業施設、オフィスなどが集積し、年間900万人の来訪が見
込まれている。新たな名古屋のにぎわい拠点となるか、注目されている。

「グローバルゲート」が全面開業した名古屋駅南側の再開発地区「ささしまライブ24」(名古屋市中村区)
http://www.nikkei.com/content/pic/20171115/96958A9F889DE0E1E6E7E5E0E7E2E3E6E3E3E0E2E3E5E2E2E2E2E2E2-DSXMZO2345723014112017000001-PB1-2.jpg

 同地区の再開発は旧国鉄笹島貨物駅跡地の土地区画整理事業として1999年に始まった。22万1000平
方メートルの広大な土地に、これまでに中京テレビ放送の新社屋、大学やシネマコンプレックス(複合映画
館)などが進出。グローバルゲートの開業で、再開発地区の8割相当が完成した。

 グローバルゲートは大和ハウス工業や豊田通商などが建設した、ささしま再開発の目玉だ。36階建てと
17階建ての高層ビル2棟と商業施設棟からなる。商業エリアは5フロアで構成し、49店舗が並ぶ。フィット
ネスジムや家具販売など30〜40代の女性や家族連れをターゲットにしている。

 上層の31〜36階には、「名古屋プリンスホテルスカイタワー」が入居する。1泊1室10万円以上の部屋を
19室用意し、高所得者層を取り込む。中層の6〜29階は、オフィスフロアで、外資系企業などが入居し、
「7割以上が埋まっている」(不動産サービス大手のCBRE)という。

 市の想定によると、ささしま地区の1日の来訪者は2万5000人。名古屋駅の1日の乗降客数が約120万人
とされ、その2%に相当する。同駅と同駅南側を結ぶ大きな人の流れが生まれ、新たな投資や消費を呼び
込む余地も出てくる。

 課題もある。名古屋駅からささしま地区までは、徒歩15〜20分かかる。車も渋滞が多く、鉄道でも最寄りの
「ささしまライブ駅」を通る名古屋臨海高速鉄道「あおなみ線」は、ほぼ15分間隔の運行となっている。

 一帯では市道の整備計画や、名古屋駅と結ぶ地下通路構想があるが、用地取得などの問題で完成には
時間がかかるとみられる。アクセス向上へ官民の一層の連携が求められそうだ。

■栄の久屋大通公園 民間活力で再生
 名古屋駅周辺と並ぶ名古屋市の繁華街・栄を南北に走る久屋大通公園の再生が動き出す。市は今年成
立した改正都市公園法の「パークPFI」制度を活用し、施設整備や運営を民間に任せる。カフェやショップな
どが集まり、訪れた人が楽しめる、より魅力的な緑の空間に生まれ変わる。

 久屋大通公園は南北2キロメートルにわたる細長い公園だ。名古屋のシンボルであるテレビ塔を中央に、
北側は樹木が立ち並ぶ都会のオアシスとして、南側はイベント会場として親しまれている。ただ、公園設備
の老朽化が目立ち、大規模な再生が必要になっていた。

 市はまずテレビ塔北側の再生を図る。今秋に事業者を公募し、来年2月にも任せる事業者を決める。2年
間かけ設計や工事を行い、2020年度から新しい公園が供用開始となる。

 事業費は官民合わせて40億〜60億円になる見込み。トイレやベンチなど通常の公園施設だけでなく、民間
事業者が飲食・物販施設を整備することで、多くの人が集まる公園づくりを目指す。建ぺい率などの規制緩和
もする。

 市は同公園の南エリアも再生に着手する。北側やテレビ塔周辺エリアの工事が終わってから、具体的な改
修工事に入る。南エリアは三越や松坂屋など商業施設が多く立ち並ぶ。「にっぽんど真ん中祭り」など大規模
なイベントも開かれる一方、高低差も多く、使いづらい面もある。

 市は大規模イベントが開きやすい公園を目指しており、17年度に基盤計画、18年度に事業化を検討する。
南エリアも民間活力を生かした再生になる見通しだ。