>>754 続き
どんな改善で差を埋めたのか?
工程1に新しい機械を導入したわけではない。一緒に作業をしながら「こうした方がやりやすい」
という細かな工夫を探し出していった。

この工程1は、大きく2つの作業が行われる。

キッチンにあるラップの大きい版をイメージしていただけると分かりやすい。


(1)ロール状のポリエチレンを引っ張り出す

(2)防護ガウン2着分の長さに切る
アベンジャーズ達は、この作業(1)(2)の中にある“やり難さ”を探した。

(1)では、作業台の上で、ロールから素材(ポリエチレン)を正しい位置まで引っ張り出す必要がある。

当初、作業台の盤面は白色だった。そこに透明な素材を引っ張り出しても、白い台との境界は見え難い。
そこで盤面を黒に変えた。それによって、どこまで引っ張り出したかが見て分かるようになる。

また、引っ張り出した素材を固定するクリップや重りも用意した。更には、スッとハサミを手に取れるように、
特製のハサミホルダーも手作りした。こうした、工夫を積み重ねるだけで作業性は驚く程上がっていった。

他にも、作業をしていて気づいたところを、どんどん改善していった。結果、10枚しか切り出せなかった工程1は、
4日後には30枚切り出せるようになっていた。

袖の部分を溶着する工程では、使われていなかった半世紀前くらいの設備が使えることに気がついた。
眠っていた設備だったが、メンテナンスしてみると見事に動き出した。
メンテナンスで甦った溶着設備
道具や設備を増やしただけではない。作業時間の短縮にも取り組んだ。

当初は1着分の溶着をするのに、ベテラン社員でも70秒、未経験者なら90秒の時間がかかっていた。
しかし、作業のコツをみんなで出し合い、それらをまとめた映像を作った。コツを共有した結果、
現在は、速い人なら30秒、慣れない人でも60秒を切れるくらいになっている。