1110兆円に膨張した公的年金の「暗黙の債務」=小黒一正
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200121/se1/00m/020/004000c
貧困高齢者が急増する中、低年金・無年金への対応は重要だが、いまの財政・社会保障の仕組みが引き起こす世代間の問題も重要な課題である。このうち最も深刻なのが社会保障財源の不足などに伴う政府債務の累増だ。政府部門の債務残高は1000兆円超に達し、財政の持続可能性を脅かしているが、さらに“見えない債務”も存在する。その一つが、賦課方式年金が抱える「暗黙の債務」である。

 公的年金(国民年金+厚生年金)が抱える暗黙の債務は約15年間で1・6倍になり、現在は1110兆円にまで膨張している。債務は現役世代と将来世代で負担する必要があり、深刻な状況にあるため、今回はこの「暗黙の債務」を簡単に説明したい。