京都出身のAさんは大学から上京し、東京出身の妻と結婚した。結婚して、10年。小学生の娘の教育
にも熱心な妻に大きな不満はないが、新婚当時からモヤッとした違和感が消えない。
それは、関西人のAさんと関東人の妻の「東西ギャップ」。ちょっとした言葉遣いやふるまいに対して、
夫婦の感じ方がことごとく違うという。
たとえば「ハシ」。Aさんが「ハシを取って」と言えば、「端を取るってどういうこと?」と聞き返される。「箸」
のことだと指摘すると、妻から「ここは東京なんだから、標準語で話してよ」とイラッとされる。それを聞いた
Aさんもムッとする。
家族でもんじゃ焼きを食べに行き、「やっぱり、くいで(食べごたえ)がないなあ。なんでこれで980円も
すんの」と軽口をたたけば、「あなたは高いとか安いとか、本当に貧乏くさい」とイヤな顔をされる。
笑いのツボや味付けでも、ちょっとずつ「ずれ」が蓄積されていく。Aさんがぼやく。
「僕はそういう違いも新鮮でしたが、子どもが生まれた後は『子どもがマネしたらどうするの』と妻は本当に
イヤみたいです。どっちが正しい、ということはないと思うのですが……」