⑥ 「側室制度の消滅と男系維持の不可能性」に対する反論

死亡率の高さ、すなわち生存率の低さがこれまで男系継承に苦労した原因でした。現代は医療技術が飛躍的に向上し生存率が極めて高くなりました。したがって、男系男子継承の場合、皇位継承者を5名確保し、それぞれが平均3人の子(性別不問)を後世に残すことができれば永続確率は99%になるのです。
対して、直系長子優先継承はどうでしようか。子を産むことのプレッシャーが少ないことをメリットとして賛成理由にしている以上は少子化を肯定していることになります。1子だけで、それが女子だったら即座に断絶危機となります。なぜなら、次期女性天皇の皇配探しは極めて難航することが予測できるからです。ハードル(結婚障壁)の高さは平成時代に結婚適齢期だった内親王や女王(6名)の場合ですら3名が未婚であることからして明らかです。皇配となると過去一例もありません。
現代社会で、次期天皇になることが定まっている内親王との縁談を持ちかけられて承諾してくれる男性はいるのでしょうか。本人のみならずその親族の経歴、経済状況などがSNSやメディア等に細かく調べられバッシングされることを覚悟したり、謳歌していた自由を放棄して、未経験な皇配の公務に身を捧げることを誰が望むというのでしょうか。
仮に女性天皇に即位する前に結婚できたとしても、婚期の遅れ、皇嗣としての公務の重圧と妊娠・出産・育児を並立させるには1子が限界です。これで、持続的・安定的な継承になるわけがありません。

結論はこうです。
生存率が極めて高い現代においては、確率論に基づいた適切な数の系統(傍系)さえ確保すれば、一夫一婦制下でも男系継承は永続可能です。数学的には長子継承のほうが持続困難です。
長子継承なら安定すると信じ込んでいる各紙社説が一切触れていないことですが、① 多産率(平均3名出産の男子継承>1名がノルマの長子継承)、② 結婚率(親王>内親王)の違いから皇位継承資格者1人当りの後継者数の期待値は男系男子継承のほうが高いというのが数学的事実です。

具体的に数字を出して検討してみましょう。
長子継承の場合、当主が男性なら後継者数の期待値は2.0であるとしても、当主が女性なら少子化は不可避で1.2程度となり、これに未婚リスクがあるため期待値は0.4~0.6に下がります。当主となる確率は男女半々なので後継者数の期待値は平均をとって1.2~1.3です。
対して、男系男子継承の場合の後継者の期待値はどうか。男系なら平均で3人の子を設けると仮定して、後継者となる男子の期待値は1.5人。したがって、長子継承の1.2人(1.3人)より男系男子のほうが持続可能という結論になります。

単一の系の後継者の期待値から算出すると
長子優先継承(期待値1.2)の場合
永続確率 32%(断絶確率68%)
対して、男系男子継承(期待値1.5)は
永続確率 58%(断絶確率42%)
と数学的に計算可能です。
長子継承が可能な系は3系(悠仁さま、佳子さま、愛子さま)に絞られてしまうため、3系のうちいずれかの系が永続する確率は 1-0.68^3 = 約69%(絶滅確率31%)となりますが、男系男子継承ならいずれかが永続する確率は 1-0.42^3 = 約93%(絶滅確率7%)となります。
しかも、男系男子継承なら直系、傍系合わせて計10系以上の男系男子が生存しています。仮に5系が男系継承のポートフォリオに参加したら永続確率は 1-0.42^5= 約99%(絶滅確率1%)となります。
飛躍的に医療技術が進歩した現代なら旧皇族から養子等で一定の皇族数を確保できれば、歴史スパン(数千年以上)での存続が現実味を帯びてくるのです。