吉田氏によれば、ニーズヘッグの目にとりつかれた赤い姿にするか、それとも蒼い鎧でいくかについては、かなり迷ったのだそうだ。
最後に、本来の竜を狩る者に戻るという意味で、蒼でオーダーすることになった。
この発注の半年後、アートブック用の素材をもらいに吉田氏がふらりと現われた。

「赤い鎧版のエスティニアンあったよね。没になったやつをちょうだい」

と吉田氏は頼んだが、茂木氏からの回答はそんなものはないというもの。
しかし吉田氏はあきらめず、

「俺見たよ! 描けって言われれば、描けるくらい鮮明に覚えてるよ!」

と強弁。茂木氏はすべてのフォルダを探したが、どこにも赤い鎧版のエスティニアンイラストは存在していなかった。
その様子を見ていた隣の女性スタッフが

「吉田さん大丈夫ですか、もう休んで!」

と駆け寄ってくる事態になったらしい。吉田氏の勘違いなのだが、吉田氏の働き過ぎを心配してしまうというエピソードだった。