「アイッ!」「アイッ!」「アイッ!」「アイッ!」

今日も道場に男達が揃った
かけ声とともに拳を何度も突き出す。これを何時間もひたすら繰り返す

滝山「よしっ!午前はここまでっ!休憩後は走り込みだっ!」

道場主の滝山が鋭い声で指示を出した
一礼した男達は昼を食いに散ってゆく
滝山魔人拳は順調に門下生を増やしている
奥義にたどり着こうとしている弟子達も少なくない
滝山のスカウトと指導、弟子の熱心さが実を結んでいる

しかし新興勢力は常に衝突を生む
数々の武術団体、さらに彼らの息のかかった政財界の妨害が続いている
警察も例外ではなく、滝山魔人拳への不当な捜査や弟子の身柄拘束も始まっていた

事務室に座った滝山は何度もPCを眺め計算を繰り返した
滝山「戦力が整うまでの時間と…施設ができあがるまでの時間と…
外からの妨害に組織が耐えられなくなる時間と…その妨害が段階的に激しくなっていくとして…」
部屋がノックされ作業が中断される
「滝山先生!また市民団体です!今日は弁護士連れで練習の声がうるさいと言ってきました。先生は不在だと言って追い払いましたが」
滝山「またあいつらか…まあ誰の差し金かは大体分かってるが」
「ええ。きっと去年の大学柔道部がらみの連中ですよ。あそこのOBは警察に大量にいますからね」
滝山「いっそ訴えてくれれば楽なんだがな。裁判なら最低半年は時間が稼げる」
「訴えてこないのは実際には困ってないからですよ。別の所からの指示で我々にちょっかいを出してるんです。ミエミエです」
滝山「まあ対応ご苦労だった。一応道場に何かされてないか表を見てきてくれ」
「はい!」

滝山「今すぐでもできなくはない。だが、やはり時間が欲しい」
眉間にしわを寄せ滝山が思案を再開する