【人事労務】
●「『前払い退職金制度』とは?−−企業と従業員のメリット・デメリットを解説」(「あしたの人事Online:2020/07/06」)
<出典> https://www.ashita-team.com/jinji-online/labor/10346

−「前払い退職金制度とは?」
「「前払い退職金制度」は、在職中の給与・賞与に退職金相当額を上乗せして支払うシステム。
 1998年に松下電器産業(現在のパナソニック)が導入した「全額給与支払い型社員制度」が、退職金前払い制度の始まりとされている。
 退職給付制度を設ける企業のうち、『前払い退職金制度がある企業は約5%』。」

*「企業にとってのメリット」
(1)「退職給付引当金の準備が必要なくなる」
「給与・賞与に退職金相当額を加算して支払うことで、退職給付引当金を計上する必要がなくなる点は、企業財務上のメリットだ。
 …「前払い退職金」は月例賃金の一部なので、債務ではなく必要経費(損金)として取り扱われる。」

(2)「求人広告で月額賃金を高く見せられる」
「従業員を募集する際に退職金相当額を上乗せした月給を提示して、同業他社より好待遇であることをアピールすることが可能。
 好待遇を期待して転職活動を行う人が多い中、優れた人材を獲得するチャンスも広がる。
 前払い退職金制度と確定拠出年金との選択制を採用する企業も多く、福利厚生面も充実していると求職者に印象づけることもできる。
 従業員のライフプランを尊重して長期勤続につなげるために、『入社時には「前払い退職金制度」と「確定拠出年金制度」の説明を十分に行っておきたい』。」

*「企業にとってのデメリット」
・「不祥事が発覚した場合でも退職金を没収できない」
「従来の制度では、懲戒解雇者に対する退職金の減額・不支給規程が設けられているのが一般的だ。
 一方、『「前払い退職金制度」では、支払済の退職金の返還を求めることができない』。労働の対価として、月給・賞与と組み合わせた賃金として支払われているからだ。
 懲戒解雇が最も重い処分であることを考えると、最終給与の減額(減給)を併科することも難しい。
 したがって、『従来の制度と比較すると、前払い退職金制度では不祥事への抑止力が弱いのがデメリット』だ。」