最近、急に涙が流れ、茫然自失となることがある。 なかでも、
「東松戸市で丁稚奉公からやり直しだ」と思うと、怒りもこみ上げてくる。

東松戸市送りを命じられたときの、あの絶望がいまだに続いている。
「東葛地区の盟主松戸」・・・・・「上本郷にそびえ立つ白亜の大統領迷宮御殿」・・・・・
これらを思い出すと、悔し涙が流れます。
そして自分こそが王者松戸市のお殿さまであり、
KING OF KINGS であったのに・・・・

しかも優しかった白髪の老副院長までが、僕を冷たく突き離します。
「いいかい?我々一味の四半世紀に及ぶ黄金時代に幕は降りた。
江戸の勢力に無血開城したのだよ。
そして僕と君は落ち武者だ、 落ち武者刈りが息の根を止めに来るよ。 」
僕は恐怖に震えます。

「君は落ち武者を隠すために東松戸市で丁稚奉公したまえ。
私はこのまま居続ける。私クラスにもなると、江戸の連中ともコネがあるからな。
今は自分のことだけで精一杯の世の中だ。 君のことまでは構っておれない。
ここから先は君次第だ。幸運を祈る。」

僕は挫折感に胸が一杯になり、落ち武者震いを禁じ得ませんでした。