女性は賠償金の額ではなく、安易に病気と決めつけた精神科医の責任を
明らかにしたかったのだが、高裁も期待できそうになかった。相手の
精神科医の1人が、重大事件の精神鑑定を行うなど、司法や検察の世界で
知られた人物だったためだ。

控訴審の途中、女性はこう考えた。
「裁判所が、精神鑑定医に不利な判断をするとは考えにくい。精神鑑定を行う
医師の診断力が、実は健康な人を統合失調症と誤診するほどのレベルだったと
なれば、この医師がこれまで関わった精神鑑定の精度や、これを採用した裁判所
の判決まで疑われることになるでしょうから」

そして女性は「このまま無理に判決に持ち込み負けてしまったら、今後、裁判に
訴える被害者にマイナスの判例を残すことになる」と判断し、心ならずも和解に
応じた。和解金は、大阪府立病院機構が支払うことになった。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39004