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依存の問題を深く考えなければ、致死性が低い点では使い勝手も良かったでしょうし、だからこそ精神医療の内部から『この薬は危険だ』と声を上げるのが憚られた状況もあったと思います」(佐藤氏)

 そうやって患者のことを考えない医師によりベンゾ系薬剤を処方され、依存症になってしまった人の中には、「社会生活からドロップアウトしてしまう人も多い」と長尾氏。


「大量の抗うつ剤の服用を続けた人は肥満にもなりやすく、糖尿病や高血圧、内科系疾患などにもなりやすい。私の印象としては、生活保護を受けている方には、ベンゾ系薬剤を飲んでいる方がかなり多いです。 

ベンゾが生活保護受給者を作っている部分もあるでしょうし、ベンゾによって生活保護から抜け出せなくなっている人もいるでしょう」(長尾氏)

また薬の作用を味わう目的で、漫然処方を行う医師を利用し、意図的にオーバードーズをする人もいる。なお、ベンゾ系薬剤の常用を続けると、認知症のリスクも高まってしまうという。

「ベンゾ系薬剤の多剤投与を続けると、脳の認知機能が低下し、認知症のリスクが増大することも明らかになっています。またベンゾ系薬剤の減薬には非常に長い時間がかかりますし、患者さんの負担も本当に大きい。

本来は減薬に取り組むべき精神科が、ベンゾ系薬剤の漫然処方を続け、患者と社会に悪循環を生み出している現状には、私は怒りしか感じません」(長尾氏)

 佐藤氏も精神医療の現状には怒りを覚えているそうだが、「すべてを精神科医のせいにするのも間違っている」と話す。

「ベンゾ系薬剤で人生を壊された人が日本に多いのは確かです。その薬を処方してきた医師の罪は重いといえるでしょう。