日本精神神経学会 19691220 「精神病院に多発する不祥事件に関連し全学会員に訴える」

昭和40年代になってから、特に昭和44年の金沢学会(第66回総会)以降、いわゆる精神病院不祥事件が次々に明るみに出され、わが国の戦後精神医療の腐敗がようやく追及されるようになった。
事件内容は、殺人、傷害、焼死、私刑、自殺、強制労働などの一般犯罪であって、いずれも惨憺たるものであった。
この現況に直面して、当時の精神神経学会理事会は、昭和44年12月20日付をもって、「精神病院に多発する不祥事件に関連し全学会員に訴える」という文書をまとめ、公表した。

この意見書の内容は、精神科医の反省と自戒を促すものであって、不祥事件の根本原因に関しては、

@医療不在、経済優先のいわゆる儲け主義の経営、
A私立病院経営者の持つ封建性と病院の私物化、
B経営管理を独占する精神科医の基本的専門知識の欠如

の3点に主要な問題がひそんでいることを指摘