「数年で病状が良くなっていって、妄想も抜けた。だけど退院を希望しても実現しなかった」

「そのうちに、退院することをあきらめてしまった。長いこと入院してると、あきらめちゃうんだよね。もうどうでもいいやって。典型的な『施設症』になってしまったんだね」

施設症とは、長期の収容によって、患者が無気力状態になってしまう症状のことだ。施設症に陥ると、閉じ込められた「施設」から抜け出す気力も奪われる。自発性を失い、能動性を失い、たとえ自らの置かれた状況に満足していなくても、満足していると思い込むようになる。