◎ 御巡幸については、涙無くして読めない(205〜242頁)。
◎ 小林氏の郷里にある大野城や付近の水城は、幹部候補生学校(久留米)の戦史実習で学ぶようだ。
  このあたりの記述は本書独特のもので良い(294〜300頁)。 
△ 明治憲法は 天皇親政ではない(255頁)とのこと。これは難しい。自分は 天皇親政のひとつの型とみる。
  昭和天皇が 天智天皇に学ばれようとしたとの記述は新鮮であった(310頁)。 
◎ 「昭和天皇がむしろ勝ったのではないか? 」(315頁) 「負け続けているのは国民の方ではないか?」(316頁) 
  最後に、「あの時代・・・天皇親政だったら・・・」と結んでいる。(344頁) 
  最近は保守派でも、不親政で象徴的役割が本来の在り方のように言う者が出てくる中で、この感想は大いに評価したい。

結論:90点。間違いなく好著。先帝陛下につき論じた近年の書籍の中では最良ものの一つと言えるのではなかろうか。
   なお、男系、女系等については触れていない。保守派への批判もない。これが良い。意図的に避けたのであれば、
   見識と言っても良いかと思う。小林氏に批判的な方にも本書はお勧めしたい。小林氏は、将来『明治天皇論』に挑戦して
   三部作にしてはいかがだろうか。そうすればより伝統に目覚め、萬世一系護持派に変身するのではなかろうか。
   (正直のところ、ゴー宣追撃篇との落差に戸惑うぐらい評価できる。) ぜひ皆様の感想もお聞きしたく思います。