●少数株主が「オーナー社長」に物申すこと可能

――オーナー社長が経営に失敗したり、プライベートで不祥事を起こした場合、誰が責任を追及できるのでしょうか。

静岡放送のように株式会社であれば、社長など業務の執行にあたる(代表)取締役については、ほかの取締役が相互に監視し、また、取締役会が
監督します。たとえば、代表取締役の代表権を失わせる(解職)のであれば、「取締役会」において、出席した取締役の過半数の賛成でできます。
それに加えて、経営上の落ち度で会社に損害を与えた場合は、それを賠償する責任があります。ただし、創業家などの特定の一族が実質的に
経営を支配しているならば、一族のなれ合いから、十分な責任追及がされないおそれはあります。

――オーナー社長に物申すことができる雰囲気ではない会社もあるかもしれません。

経営を実質的に支配している取締役や、取締役同士のなれ合いによる弊害を見越して、会社法にはそれを手当てする制度がいくつかあります。
たとえば、多数派とはいえなくとも、一定割合株式を保有していれば、株主総会で取締役を解任する議題・議案を提出できます。仮に決議が否決
された場合でも、その取締役に不正行為や、法令・定款違反行為があるときは、裁判所に「取締役の解任の訴え」を提起できます。
あるいは、単独株式でも保有していれば、まずは会社に対して、不祥事を起こして会社に損害を与えた取締役の賠償責任を追求せよ、という請求
ができます。
会社がそれに応じないときは、その株主自らが原告となって、会社のためにその取締役を訴えることもでき、最終的には訴訟の場で決着をつけ
ます(株主代表訴訟)。

【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。
行政における、開発審査会の委員、感染症診査協議会の委員を歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:ttp://www.imai-lawoffice.jp/index.html

弁護士ドットコムニュース編集部