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冤罪事件の元被告ら体験重ね

「『共謀罪』ができたら、いま以上に怖い社会になる」

鹿児島県志布志市の酒造会社社長、中山信一さん(71)は14年前、県議に
初当選した直後に逮捕、起訴された。会合を開いて有権者に現金を配った
公職選挙法違反(買収)の疑い。裁判でアリバイが認められ、判決は、
会合自体が存在しない「架空の事件」だったことを示唆。起訴された12人
全員の無罪が確定した。

「共謀罪」の国会審議で政府は「一般人は対象外」「裁判所による令状審査が
機能しており、恣意的な運用はできない」などと答弁している。ただ、一般人か
どうか、嫌疑の有無などの判断をするのは捜査当局だ。中山さんは「一度決めれば、
あらゆる手段を使って、描いた筋書き通りに『犯人』を仕立てる危険がある」と感じる。

志布志事件では、警察からは「自白」を迫られ、否認すると395日間勾留された。
取調官は「認めなければ娘も息子も逮捕する」などと怒鳴った。ともに逮捕された
妻が自供したので罪を認めるように、と迫られたこともある。心が折れそうになったが、
否認を貫いた。後で妻は自供しておらず、取調官が嘘をついていたことを知った。

「警察はシナリオを書いたらあの手この手で認めさせようとする。みな自分に
関係ないと思っているのだろうが、自分に降りかかってきてからでは手遅れだ」

  (続く)