7月10日(月)朝日新聞東京版朝刊「朝日歌壇」より(※は選者)

今週の基地外短歌

  「怪文書」「下種の勘繰り」国会の与党幹部の言葉の傲り     (熊谷市)内野修     ※佐佐木幸綱

  本日も強行採決されましたさっそく明日から施行のわが家     (大津市)佐々木敦史   ※佐佐木幸綱

  共謀罪成立の朝一紙ありて多喜二の死をば引きて危惧せり     (柏崎市)阿部松夫    ※佐佐木幸綱

  徐々徐々にまきこみゆきし戦前の渦によく似たり一強の〈渦〉   (嘉麻市)野見山弘子   ※高野公彦

  「独裁」と言わず「一強」葉ざくらが膨らみながら昏みゆくなり  (幸手市)森暁香     ※高野公彦・永田和宏

  六一五樺美智子の死んだ日に共謀罪法スルリと生るる       (宮城県)中松伴子    ※高野公彦

  共謀罪法案通り首相笑む笑みの奥底ガラス片あり         (横浜市)松村千津子   ※高野公彦

  御納戸色の空を蝙蝠とび回る密告社会が来るのだろうか      (春日井市)伊藤紀美子  ※高野公彦

  基地ありて民の哀しみ続く日々大田氏遺せる「平和の礎」     (横浜市)松村千津子   ※永田和宏

  尽力を惜しまず逝った大田氏の遺せし礎にうりずんの雨      (三鷹市)山室咲子    ※永田和宏

  日本軍に銃を向けられ入壕も適わざりしよ大田さん逝く      (名古屋市)諏訪兼位   ※永田和宏

  在職中黙りつづけて辞めてなお黙ったままならなお悪かろう    (交野市)遠藤昭     ※永田和宏

  戦中より揉まれ揉まれて生き来しが「共謀罪法」のなかの残生   (いわき市)馬目弘平   ※馬場あき子

  調べない責任とらない謝らないどこかの国の三猿のはなし     (長野県)千葉俊彦    ※馬場あき子