毎日新聞 みんなの広場 2018年9月6日(木)

思い込みが少数者を圧迫
無職 久野 茂樹69(鹿児島県霧島市)

 8月1日の本紙「土記」 を読んで、東京医科大の不正入試疑惑を取り上げたコ ラムの枕として書かれた小話が分かるか、妻に聞いた。
それは「父親と息子を乗せた車が交通事故で大破し、父親は死亡、男の子は病院に運び込まれた。出てきた脳外科の世界的権威は『これは私の息子だ』と言った。この外科医は誰?」というものだ。
妻は柔軟で明晰な頭脳の持ち主。
ところが首をひねった。

 そうか妻も一緒なんだと妙に一安心した。
答えはその子の「母親」なのだが、「脳外科医イコール男」と、知らず知らずのうちにほとんどの人が思い込んでいるのではないだろうか?

 では、ほとんどの人がそう思っていればそれは「正解」だろうか。
それは違う。
この類いの思い込みは世の中に山ほどあって、それを世間は「普通」と呼び、時に少数者を攻撃する。
やっと近年「多様性」という言葉を多く聞くようになり、この国も少しずつだが変わり始めてきたんだと実感しているところだ。

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またしても「常連の広場」