12月25日

 「中国共産党政権の迫害を受けている数千人は、永遠にあなたに感謝いたします」。
米オレゴン州に住む主婦は2012年10月、ハロウィーンのために購入した中国製の飾り物の中から手紙を見つけた。
差出人は、遼寧省・馬三家の労働教養所に収容されていた孫毅さんである。
 ▼中国政府が弾圧する「法輪功」のメンバーだった孫さんは、毎日15時間以上も輸出用の商品作りを強いられていた。
手紙には、労働教養所の拷問の模様も記されていた。米メディアによって内容が紹介されると、世界に衝撃が走った。
 ▼出所後も当局の監視下にあった孫さんは、インドネシアへ亡命する。ドキュメンタリー映画に出演して、当局の非道
を訴えた。もっとも、映画の完成を待たずに謎の死を遂げている。
 ▼こんな前例があるから、ロンドンで発見されたSOSのメッセージも、本物である可能性が高い。「私たちは中国・上海
の青浦刑務所の外国人受刑者です。意思に反して働かされています。私たちを助けてください」。英メディアによれば、6歳
の少女が英大手スーパーで購入したクリスマスカードに書き込まれていた。カードは中国で製造されたものだ。
 ▼中国のすさまじい人権弾圧の実態が、明らかになりつつある。香港のデモの行方は予断を許さない。新疆ウイグル自治区
では、少数民族が常時監視され、ひとたび収容されれば「思想教育」を強制される。国際社会からの強い批判に対して、中国
政府は「香港や新疆の問題は中国の内政だ」と突っぱねてきた。
 ▼北京で習近平国家主席と会談した韓国の文在寅大統領は、そんな中国の立場に理解を示したという。「人権弁護士」の経歴
が自慢だった文氏の人権感覚は、いったいどうなってしまったのか。