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もはや世界のリーダーではない

 トランプ氏が事態の深刻さを認め始めたのは、国内の死者数が急増し、
経済の悪化も不可避となった3月中旬。自身の初期対応の甘さや医療必需品の準備不足を
批判されると、今度は中国の責任追及を始めた。

 4月10日の記者会見でも、トランプ氏は「中国は信じられないくらい、
我が国やほかの国々を利用してきた」と繰り返し非難。政権幹部も平仄(ひょうそく)を
合わせており、3月下旬の主要7カ国(G7)外相会議では、ポンペオ国務長官が
「武漢ウイルス」という名称にこだわった結果、共同声明文書も発表できなかった。

 米国が国際的な連携よりも、自国の都合を優先させる傾向は、あらゆる局面に
表れている。コロナ対策を話し合うため、G7首脳によるテレビ会議を提案したのは
トランプ氏ではなく、フランスのマクロン大統領だった。国連の安全保障理事会に
おいても、新型コロナをめぐる決議案はフランスが提案したが、
やはり米国が「ウイルスの起源は中国にある」という表記にこだわり、採択が遠のいた。

 各国の指導者が「第2次世界大戦以来の世界的な危機」と指摘する局面において、
自国の都合にひた走る米国。米カーネギー国際平和財団のアーロン・ミラー上級研究員は
「(世界的危機において)米国がリーダーシップを発揮できない、また、発揮しようと
しない初めてのケースになるだろう」と語る。(ワシントン=渡辺丘、園田耕司)