産経抄 1月11日
同僚には学生時代に弁論部で活躍した猛者もいる。書くことと、大勢の前で話すこと、どちらが難しいか聞いてみた。答えはどちらも難しいが、難しさが異なるという。文章は読み返せるが、弁論は聞き返せない。端的に聴衆の心に響く「言葉」を盛り込めるかがカギだという。
▼9日の土曜、「土光杯全日本青年弁論大会」が行われた。行政改革を推進した土光敏夫氏の「若い人の声を聞きたい」のひと言から始まった大会は37回を数える。コロナ禍でオンライン形式で弁士が“登壇”したが、「私が考える日本強靱(きょうじん)化」をテーマに、若手論客の新鮮な「言葉」にあふれた。
▼土光杯に輝いたのは会社員、鈴木駿介さんで、演題は「歴史を知り、感謝するということ」。先輩が築いた会社の歴史、祖先から受け継がれた家族の歴史など身近な例から広げ、先人が築いてきた日本の歴史に誇りを持ち、知ることが強靱化につながると語った。
▼土光氏の出身地、岡山県にちなんだ「特別賞岡山賞」を獲得した東京農工大生物システム応用科学府の長瀬舞子さんは、演題「私が研究室から見た日本のみらい」で、体験をもとに基礎研究の窮状と重要性を語り、科学力が日本の強靱化に不可欠だと訴えた。
▼今年のテーマの「強靱」は文字通り強さのほか、しなやかさや回復力など各人さまざまなイメージを持つだろう。審査委員長の渡辺利夫・拓殖大前総長は講評で、あえて曖昧(あいまい)なタイトルにしたねらいに触れ、ねらい通り歴史、農業、環境、古典など幅広い分野から提言をもらった、と話していた。
▼11日の成人の日は、コロナ禍で自治体の式典が見送りになるなど、いつもと違う日となった。静かに家族や友人に贈る「言葉」を探す日にもなればいい。
産経抄ファンクラブ第275集
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718文責・名無しさん
2021/01/11(月) 08:01:33.58ID:YuhYNljd0■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています