6月22日

スマートフォンで写真を撮って親しい人にメールで送る。世界中どこでもみられる習慣は、実は日本で始まった。携帯電話にカメラを付けるアイデアは以前からあったものの「まず売れない」と言われてきた。

▼平成12年にJ―フォン(現在のソフトバンク)が売り出したシャープのJ―SH04はそんな常識を打ち破る。開発した技術者の頭の中にあったのは、当時の女子高生の「三種の神器」といわれた携帯電話、ヘッドホンステレオ、使い捨てカメラである。

▼旅行で訪れた箱根のロープウエーがヒントをくれた。乗り合わせた女性が懸命にメールを打ち、周りの景色のすばらしさを知人に伝えているようだった。その時、写真を送れたらもっと楽しいはずだとひらめいた。

▼カメラ付き携帯電話はたちまち大ヒット商品となる。カメラ付きが当たり前になるまで時間はかからなかった。画像もどんどん鮮明になっていく。観光地での記念写真はもちろん、携帯で撮影した映像がテレビや新聞に投稿されるようになった。

▼ただ残念ながら、便利な機能には悪用のリスクがつきまとう。書店で雑誌の記事を撮影したり試験のカンニングに利用したりと、不心得者が相次いだ。今年4月のコラムで取り上げたように、全国の盗撮行為の検挙件数が急増している背景にもスマホのカメラ機能の向上がある。

▼23歳の女性が行方不明となり茨城県内の山林で遺体で発見された事件でも使われていた。逮捕監禁容疑で逮捕された三瓶博幸容疑者(33)のスマホから、手錠で拘束された女性の画像が見つかった。とはいえ、スマホに罪があるわけではない。「銃は悪くない」。乱射事件が続く米国で、銃規制に反対する人たちの主張にはとても賛成できないけれど。