6月3日

日本大学は、田中英寿前理事長の脱税事件など、一連の不祥事で今も大揺れである。看板学部の芸術学部では、お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光さんの裏口入学疑惑を週刊新潮が報じる騒動もあった。

▼太田さんは発行元の新潮社を名誉毀損(きそん)で訴え、裁判で勝訴した。太田さんが散々ネタにしたのは言うまでもない。お笑いの世界だけではなく、芸能界、マスコミに数多くの人材を輩出してきた。昨日のコラムに登場した故十二代目市川團十郎も卒業生である。

▼やはりOGの一人である林真理子さんが次期理事長に内定した、とのニュースには驚いた。林さんといえば、昭和61年に直木賞を受賞して以来、新作を刊行するたびに話題を集めてきた、超のつく売れっ子作家である。

▼今年2月に出た『奇跡』(講談社)では、有名歌舞伎役者の妻と世界的な写真家の奇跡のような恋を描いた。当事者二人は実名である。もちろんベストセラーとなった。作家として多忙をきわめているはずなのにと、誰もが疑問に思うところだろう。

▼平成30年5月に起きた、日大アメリカンフットボール部の反則タックル問題に際しては、週刊文春に連載中のコラムにこんなタイトルをつけていた。「日大変えたる」。「こうなったら、イメージがとことん落ちた母校のために、ひと肌もふた肌も脱ごうではないか」。切った啖呵(たんか)は本気だったということか。

▼ずいぶん昔の話だが、林さんの仕事ぶりを間近に拝見する機会があった。一言で表せば、人並みはずれた好奇心の持ち主である。日本一の学生数を誇る巨大組織のトップの座に就く機会など、めったにあるものではない。少なくともファンにとっては、その経験を生かしたとんでもない作品が期待できそうだ。