7月18日

週末前の打ち合わせで、海外特派員の経験がある同僚2人がひそひそ話をしていた。新聞記者はそんな秘密の話が大好き。全員が聞き耳を立てた。

▼だが3連休なのを知らず「何の日」かと尋ね合っていただけだった。18日は「海の日」である。海に関する記念日は海外にも例があるが、祝日なのは日本特有らしい。海外暮らしが長く、この祝日が「移動」したのを知らなかったのか。やはり、海の記念日の7月20日に固定したほうがよさそうだ。

▼主張でその由来や意義を取り上げているので2人にはゆっくり読んでほしい。小欄も国を守った人々の歴史に触れようと、先の大戦の2人の指揮官を主人公にした『人道の将、樋口季一郎と木村昌福 アッツ島とキスカ島の戦い』(将口泰浩著、光人社NF文庫)を、改題・刊行の機会に再読した。

▼陸軍の樋口中将は、ナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ人の避難に尽力したことで知られる。大戦では北太平洋のアッツ島の玉砕で将兵を失って苦汁をのみ、その後キスカ撤退作戦に携わった。

▼海軍の木村中将は、そのキスカ撤退にあたり米軍の包囲をかいくぐり、5200人の将兵を救出した。同書ではキスカ撤退は使命感、徳望を持つ陸海軍指揮官の相互の信頼関係が部下の将兵に伝わり成功に至った、と指摘している。

▼樋口中将は、ソ連が一方的に停戦協定を破って対日参戦した際、占守島などの戦闘を指揮したことでもしられる。あとがきでは、そのときの樋口中将から現地への打電も紹介されている。「宿敵ソ連軍、我に向かって立つ。怒髪天を衝(つ)く。断乎(だんこ)、反撃に転じ、上陸軍を粉砕せよ」。海の日から8月の終戦の日へ、命懸けで歴史を築いてきた先人を思うことが増えそうだ