9月26日

世の中、右傾化を心配する声も聞くが、学校教育をめぐっては左傾化しているのではないかと気がかりなことが多い。例えば東京都武蔵野市で来春の市議会に提出が予定される「子どもの権利に関する条例」では「自分らしさをとりもどすために休む権利」などが盛り込まれるとか。

▼検討段階では「休む権利」に関連し、どのような理由でも取得でき、欠席扱いにならない子供の「特別休暇」導入案も出たという。

▼さすがに「現場が混乱する」との意見があり、あきれた制度の導入は「検討する余地がある」から「議論もあった」にトーンダウンしたようだ。子供の権利をはき違えて、甘えやわがままを助長するような思想を学校現場に持ち込むのはやめてもらいたいものだ。

▼最近、さらに気がかりは、安倍晋三元首相の国葬の際、弔意を表す半旗掲揚などを学校に求めない教育委員会が多いことだ。小欄も〝愛読〟する朝日新聞では「国葬に弔意? 悩む学校」などの見出しで「教育現場では、国葬になるべく触れずにやり過ごそうとする空気が漂う」などと伝えていた。

▼国葬を見て見ぬふりをする教育はいかがなものか。安倍氏の家族葬が行われた7月にも教委の半旗掲揚の要請を批判する向きがあった。学校の政治的活動を禁じた教育基本法をあげ「教育の中立」を損なうというが、弔意を妨げる不当な批判こそ教育の中立を脅かす。

▼本紙「正論」で加藤良三元駐米大使が「国葬を見つめる視線は日本だけのものではない」と指摘していたように、安倍元首相は国際的信頼を得て長期政権を担い、凶弾に倒れた。事なかれ主義の教委からの要請を待たずとも、学校では、半旗を掲揚し、自由と平和を守る尊さを教えてほしい。