8月21日 性差否定の教育へ疑問
もしやわが母校も共学化されるのか。LGBTなど性的少数者の理解増進を図る条例が昨年制定された埼玉県は、浦和(男子校)、熊谷(同)、浦和第一女子(女子校)各高校など男女別学の県立伝統校があることで知られる。

▼小欄まわりにも卒業生がいるが、冒頭のような疑問を口にしていた。幸い、条例に基づき先日策定された同県の「性の多様性を尊重した社会づくり基本計画」に、共学化構想は盛り込まれていないが、条例に対する不安や疑問は、消えないままだ。

▼差別解消は必要としても、男性が女性を「自認」し、トイレなど女性専用スペースに入った場合の混乱など、逆に女性の権利が侵害されかねないとの懸念が拭えない。6月に制定された国のLGBT理解増進法をめぐっても、指摘されたことだ。

▼子供たちの教育への影響も心配だ。埼玉県が推進している「性の多様性を尊重した教育」の小学5・6年生用のリーフレットを見ると、虹のイラストが描かれ、「性っていろいろあるの?」「あなたと私の色を探していこう」などと書かれている。

▼「男なのにピンクが好きなんて、女の子みたい」などの言葉に「×」がつき、「その人らしさ」を大切にしようと促している。「らしさ」はお絵描きの虹の7色のように色分けできるはずもない。定義が曖昧な「性自認」「性の多様性」を尊べと言われても無理があろう。多感な時期の子供たちを惑わすような変な教育はやめてほしい。

▼学校の名簿の男女別をやめるほか、高校入試の願書の性別記入欄をなくすなど、性差否定の教育が行われているのは、埼玉県に限らない。男女の体力差や特性を無視せず、互いに敬い、協力し合う大切さこそ説いてもらいたい。