6月23日(日)朝日新聞東京版朝刊文化面・後藤正文の朝からロック

「人間動物」暴力の理論と私たち

「パレスチナから問う」という特集タイトルの「現代思想」2月号に寄稿された、保井啓志さんの論文を繰り返し読んでいる。
タイトルは「『我々は人間動物と戦っているのだ』をどのように理解すればよいのか」。

西洋がどのような道筋である特定の人々を「動物」とみなし人間性を剝奪してきたかということが説明されている。そもそも
動物という言葉は、人間に劣る存在の総称として対比的に用いられてきたのだという。そうした言葉やイメージを人間に
使うことで、人間以下の扱いが様々な場所で行われてきた。植民地や入植先で行われた非人間的な扱いは、こうした考え方が
もとになっていて、現在のパレスチナでも行われているという指摘には心が痛む。論文の冒頭で取り上げられた、イスラエルの
ガラント国防相が2023年に出した声明の「我々は人間動物と戦っているのだ」という一節は何度読んでも暗い気持ちになる。
こうした言葉が、アラブ人やパレスチナ人に対して、繰り返し使われてきたという史実が胸に重たく響いた。

(続く)