>>548 (続き)

私たちは無関係だろうか。論文のなかでは、難民の扱いにも焦点が当てられている。国家の外側に存在する人々に人間としての
権利を与えず、主体や人間として認めないこと、これこそが最も苛烈な暴力だという文章を読んだ後に思い浮かべたのは、
本邦における難民や在日外国人たちへの排他的な扱いだった。また、西洋の歴史上の人物の紛争をして、人間による類人猿への
啓蒙や使役が無邪気に描かれたミュージックビデオについての騒動のことも考えた。こうした企画が通る社会の一員であることを
真摯に受け止めたい。

論文は「人間性の剥奪」こそが、近代国家が自身の戦争を正当化する際の基本理論であると結ばれていた。こうした理論の先にある
様々な暴力が私たちの生活にどう繋がっているのか、真剣に考えたいと思った。

(ミュージシャン)

(終り)