>>601 (続き)

尚玄さん 俳優   慣れることに抵抗したい

最近の出演作に「彼方の閃光」があります。僕の役は「糸洲」という名の素朴な男です。基地のそばで生まれ育ち、
生きていくための選択をしています。

演じながら、自分が俳優という仕事を選ばず、生まれ育った沖縄にいたら、彼と同じような境遇だったかもしれないと思いました。

糸洲は、本土出身の自称革命家「友部」が沖縄で撮影する映画の現地アシスタントとして働きます。平和や戦争について大上段に
語る友部を前に、糸洲は言いたいことを口にしません。

本土の人間に雇われ、言いたいことを言わない。監督は、糸洲と友部に沖縄と本土の関係を象徴させようとしたのだと思います。

そして糸洲が最後に思いをぶつけるシーンがあります。名護市辺野古で撮影された場面です。監督にだけ伝え、共演者に知らせずに
台本にないセリフを語りました。あれは演技ではなく、僕自身の言葉でした。

例えば、「80を超えたおばあが座り込みをして、トラックの下で、私をひいてから通っていきなさいって言ってるんだよ」という
言葉。撮影前に辺野古の座り込みの現場に行き、そこで見て、感じたことです。

(続く)