>>61 (続き) (耕論「自衛隊と靖国参拝」)

高橋哲哉さん 哲学者・東京大学名誉教授   絶てない 戦前との連続性

安倍政権で集団的自衛権の行使が一部容認され、岸田政権で敵基地攻撃能力の保有に踏み出しました。防衛費倍増の方針が
打ち出され、台湾有事での「戦う覚悟」を迫る政治家の発言もありました。そんな状況の中で、まるで戦争準備の一環のように、
自衛隊員が戦死したらどうするのかという議論が始まっています。

例えば、陸上自衛隊の元幕僚長が昨年、「日本会議」の機関紙に「国家の慰霊追悼施設としての靖國神社の復活を願う」という
文章を発表しました。「近い将来国を守るため戦死する自衛官が生起する可能性は否定できない。我が国は一命を捧げる覚悟のある
自衛官の処遇にどう応えるつもりなのか」と問い、靖国神社を国の施設にするように訴えたのです。

今回、明るみに出た陸上自衛隊と海上自衛隊の幹部らによる靖国神社への集団参拝は、こうした流れと無縁ではないでしょう。

陸自での問題発覚後、山田宏・自民党参院議員は産経新聞のインタビューで、「国のために尊い命をささげられた英霊を、自衛官が
参拝するのは当たり前だ」と述べ、靖国神社への「部隊参拝」などを禁じた1974年の次官通達を見直すべきだと主張しました。

(続く)