>>641 (続き) (耕論「沖縄への基地集中に思う」)

豊田祐基子さん ジャーナリスト   「異形の安保」断絶の放置

日米安全保障体制は「異形の安全保障」です。

米国という軍事大国は、様々な国と相互防衛条約を結んでいますが、双務的に、互いを守りあうという原則があります。

ところが日米安保条約は違う。日本が基地を提供して米軍が防衛支援する。原則的には人と人ではなく、物と人の交換関係です。

近年、安全保障はただではないとの認識が広がっていますが、80年近く戦争を経験しなかった国民には負担の実感がない。
背負ってきたのは、基地周辺に暮らす人たちだからです。

国土の0・6%を占める沖縄県には約146万人が暮らしますが、米軍専用施設の7割が集中しています。これだけの住民のいる
島に、同盟国とはいえ外国軍の基地が集中する状況は、世界的にもまれです。

「異形の安保体制」は、沖縄に基地を集中させることで成立してきたのです。

昨今、安全保障環境の変化が叫ばれますが、国民全体が負うべき防衛負担に関して政権を脅かす可能性のある議論は
避けられています。結果的に、沖縄に集中する米軍基地に支えてもらう構造は変わりません。沖縄を防波堤とすることが
好都合だからなのでしょう。

(続く)