7月9日(火)朝日新聞東京版朝刊オピニオン面・耕論”「人質司法」の問題点は”より

菅野志桜里さん 弁護士、元衆院議員   裁判所も検察も共犯関係

私が検察官時代、否認の調書を持参したら、上司に「インタビューじゃないんだぞ」と投げつけられたことがあります。
否認している人間はうそつきで、正直にしゃべらせることが真実を発見する検察官の役割で、それは被疑者の人格形成や
更生に必要だと考えているのです。何が何でも自白調書を取ることが求められているわけです。

否認しているので証拠隠滅などのおそれがあり、身柄拘束は当たり前、というテンプレ(ひな形)感が人質司法を支えているといって
いいでしょう。

NHKの朝ドラ「虎に翼」で主人公の父親が冤罪事件に巻き込まれ、「認めないと釈放しない」と自白を強要される場面が
ありましたが、時が止まっている感がありますね。認めないとみんなに迷惑をかけるぞと自白を迫るところも同じですし、
被疑者が取り調べで話をした通りに調書に書いてもらえないというところも一緒。時代は変化しているのに、です。

裁判所も検察も共犯関係にあります。否認事件では原則保釈を認めないという運用を続け、前例を変えることに裁判官は臆病です。
全国の裁判官が、不公正な基準・非人間的な判断を公平に繰り返した結果の集積がまさに人質司法です。

(続く)